ファンタ

すげー炭酸が飲みたくなったので、


自販機に向かった。



自販機には『ファンタオレンジ』と『ファンタグレープ』が並んでいた。



困るわ。



この２種類は俺的には『翼くん』と『岬くん』、


ゆうたらゴールデンコンビだから、


毎回どちらにするか迷うわけ。




『ファンタオレンジ』のシビレ具合、『ファンタグレープ』のシビレ具合、


どちらも最高に刺激的だ。




オレンジかな！と思えば、グレープが飲みたくなり、


グレープかな！と思えばオレンジが飲みたくなる。




これはある意味『究極の選択』で、


『カレー味のウンコ』と『ウンコ味のカレー』


と似たようなもんだ。



似てないが。





なかなか選べない優柔不断な俺は、自分の唾液で味をシュミレーションしてみる。


想像力で唾液に味をつけて『ファンタオレンジ』と『ファンタグレープ』の味を想像するわけだ。





他人から見たら、


自販機の前で『仁王立ち』をし、


目をつむり、


口をクチュクチュやりながら、


半笑い、




かなり怖。






結局南極どちらにするか決まらないので、


最後の手段をとる。




それは、


『同時押し』


だ。




『ファンタオレンジ』のボタンと、『ファンタグレープ』のボタンを同時に押すわけだ。


これなら平等だ。




俺は、少しの狂いも無く『いっせーのせ』で同時に押した。




さあ！どっちだ！




出てきたのは、



『ファンタグレープ』だった。



長い長い自分の中での戦いが今終わった。





俺はファンタグレープを手に取り、


心の中で思った。




『ファンタオレンジが良かったのに、チッ』


と。




でわまた明日。


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